『創世書記』の存在から、モチーフは恐らく『古事記』と思われる。
著者はヴィーナ。
ゲートで出会った少女を伴って、最初に渡ってきたのは赤の世界だった。
彼女は記憶がなくなっているようで、ここがどこかも、
おとなしくついてきてくれたし、彼女を何とかしてあげたいけど、
来てみてわかった。赤の世界もまた、緑の世界と同じ異変に襲われて
各エリアの端までいくと、地面が消失し、何かできれいに切り揃えられた
世界中が細切れにされたようで、エリアごとに行き来ができない。しかも、
あちこちに出現している転醒スピリットたちはすべてが謎に包まれたままだ。
赤の世界を渡り歩いていると、少女が反応を示した。―『界事紀』第1章08―
彼女が反応を示した直後、強烈なスピリットの気配がした。
なんとか燃え盛る竜人から逃げ出し、ゲートを通って緑の世界へ戻ってきた。
不老不死の研究には『命の果実』が必要不可欠なんだけど、ストックを切らし
命の果実っていうのは、自分が勝手につけた名前で、スピリットの生命力を
実には精霊が宿っているらしいけど、滅多に出会えるもんじゃない。自分も、
命の果実が取れないだけならまだしも、この異常によって何が起こるか予測
研究室の資料を引っ繰り返してみたところ、最も知恵の深い種族が紫の世界
紫の世界の知恵高き種族は蛇族らしい。が、彼らは奥地に引っ込んでおり、
我々が蛇族を探しているように、この世界の貴族たちが、彼女のことを
アレックスと言うのが彼女の名前で、貴族たちは彼女の血を求め、
このエリアにも、彼女＝アレックスが反応を示す場所がある。
なぜ貴族たちはアレックスを知っているのか？ 疑問に思う余裕もなく、
転醒スピリット相手に成す術がない。なんとかゲートまで辿りついたが、緑の
飛び込んだのは白の世界。しかしそこは戦場の真っただ中だった。
機械の獣たちと、文献には存在しなかった機械の兵士たちがドンパチ
見たこともない機械の兵士の矛先がこちらに向くかと思われた瞬間、
明らかにアレックスを見て攻撃することをやめたのだ。次の瞬間、
次々と同じような現象が起き、戦闘は機械の獣たちの勝利に終わった。我々
そこで、自分はとんでもない光景を目にする。アレックスが輝き出し、
新たに出現したのは巨大なクレバスを中心に広がるエリアだった。
クレバスの中から、象徴的な美しい塔を背負った巨大なスピリットが姿を現す。
なぜ世界がこんな姿になってしまったのか、まだ原因はわからないが、対策
アレックスの記憶が戻ったわけではないし、彼女自身どうやって世界を
アレックスの記憶を戻し、彼女の力を完全に解放できれば、
彼女がどこからやって来たのかわからないが、きっとどこかの神様が彼女を
どんな神様かわからないけど、自分はその神様……たぶんきっと女神様の
アレックス自身、どうやってエリアを創る力を発現したのかわからない。彼女の
広大な海辺にやってきた我々は、とりあえず、このエリアの果てにいって
たどり着いた海の果ては、垂直の水面だった。流れ落ちることもなく、水槽に
世界の歪みを目の当たりにした帰り道、我々はもっとすごい光景に
最初、それが何を意味しているのかわからなかった。工兵ではないのだろう
少し考えて、やっと思い当たる。彼らはエリアを分割しようとしていたのだ。
自分が叫んだのと、傍らにいたアレックスが機械の兵士たちに攻撃を
不意打ちを受けた連中は、サッと引いていった。世界をこんなにしたのは
世界を分割した奴らと、世界を創ることができるアレックス。これが、
我々がやらねばならないふたつのことがハッキリした。
アレックスの記憶にある場所を探し歩く中、彼女が反応を示したのは、
アレックスの反応を見て、我々はドラゴンたちが多く集う地に向かうことにした。
X異種とは、見た目は同じなのに他の個体よりも明らかに高い能力を示す
幸か不幸か、ドラゴンの里についたのにX異種を探す余裕はなかった。
アレックスを見たX異種は、ただちに逃走に移る。彼らの正体に迫るためには
彼らは世界を渡る方法を知っていたようで、赤の世界を越え、
